さてどうしましょう:日本と世界の歴史散策
What should we do now? Explore the history of Japan and the world.
〜 PEKのひとりごと PEK’s soliloquy 〜
さてどうしましょう:日本と世界の歴史散策
What should we do now? Explore the history of Japan and the world.
〜 PEKのひとりごと PEK’s soliloquy 〜
ⅸ)絶対視されるワ ワのルーツと危険(Ⅱ)和の恩恵
ワの精神の恩恵
外国ではそうはいかない。先住民族は虐殺されるか追放される。既述したように、中国王朝ではおびただしい人びとが惨殺された。特に権力を握っていた側は、新たな支配者によって、七族から九族に至るまで誅殺される。
アメリカ大陸でも、主にスペイン人によって、先住民の男は虐殺されるか奴隷とされ、女も奴隷とされた。スペイン人たちは、多数のインディオ女性を妾として性的関係をもった。その関係から生まれた混血の子孫の数はあまりにも多い。現在、メスティーソと呼ばれる人びとがそれである(脚注5)。
アメリカ建国史でも、先住民族のネイティブアメリカンは西へ西へと追い立てられる。反抗するものは虐殺され、その人口は実際に激減した。先住民族と征服民族は共存できないのが当たり前だった。
ハワイも、アメリカに組み入れられるまでに、先住民族の人口は十分の一程度になった。何故か?ここに書くまでもない。
聖書の世界でも、先住民族は皆殺しにされた。日本人からすると、何とも残酷極まりない話だ。受け入れるのがたいへん難しい。しかし、当時の世界的な標準から見ると、残念ながら当然のことだった。
戦争では、皆殺し、あるいは奴隷か性的奴隷。それが、世界の国々では当たり前だった(脚注6)。もちろん、世界的な標準が必ずしも正しいとは限らない。
日本人が当たり前と思っている「ワ」「協調性」「話し合い」の精神、われわれはその恩恵に浴している。日本で平和が長続きし易く、権力奪取の際にも他国のように残虐な皆殺しがほぼ皆無だった。権力闘争が繰り広げられる時も、最少の犠牲者を出すだけで済んだ。
しかも、外国に支配され、むごたらしい仕打ちを受けることもなかった。こんなに恵まれた幸せな民族は世界のどこにもない。(つづく)
脚注
5)http://ja.wikipedia.org/wiki/メスティーソ
6)残虐な殺し合いとレイプは、二十世紀まで続いた。旧ユーゴスラビア崩壊を受けての内戦における「民族浄化」というおぞましい出来事は、ついこの間のことである(ユーゴスラビア紛争:1991~2000年)。
(879文字)
2009年6月1日月曜日