さてどうしましょう:日本と世界の歴史散策
What should we do now? Explore the history of Japan and the world.
〜 PEKのひとりごと PEK’s soliloquy 〜
さてどうしましょう:日本と世界の歴史散策
What should we do now? Explore the history of Japan and the world.
〜 PEKのひとりごと PEK’s soliloquy 〜
ⅰ)西欧文明 vs 日本
「日本人がみな英語を学んでいるなら、外国では日本語を学んでくれているのか?」ごく小さい頃、父にそう訊ねたことがある。答えはここに書くまでもない。
やがて歴史を学ぶ中で、自然と西欧中心主義的な世界観が身に付いていった。西欧文明に対するあこがれのようなものが自分の中に形づくられた。
中世の暗黒時代、ルネッサンス、宗教改革、啓蒙思想を経て、産業革命、近代科学の創出と伝搬、「文明」の先導がなされたという偉大さを思ったからだ。
それに対し、我が日本は、鎖国によって世界から後れを取り、ようやく開国したものの、隣国を侵略して無謀な戦争に突入し、見るも無惨な負け方をした。戦勝国のお情けで援助を受け、民主主義の教育を初めて?受け、火事場泥棒的と言われながら経済発展した。
ところが、エコノミックアニマルと酷評されるように、経済のことだけに専念して世界に向かって責任を果たさず、至極評判が悪いらしい。さらに、ステレオタイプな批判だが、近代西欧文明を真似するだけで創造性がないと言われ続けている。
しかも、周辺国からは「反省していない」の大合唱が報道され、新聞やテレビも「反省すべきなのに充分ではない」旨を報じ、我々は下を向くばかり。
正直に告白すると、自分の中の日本人像は良いものとは言えず、あまり誇りは持てなかった。もちろん、自分なりにそれ相応の誇りは持っていた。しかし、世界に通用するような誇りかと言われたら自信はない。
何故、こうした世界観を持つに至ったのか?幸か不幸か、こうした歪んだ世界観?は、その後の歩みに、逆説的に何らかの助けになったかもしれない。しかしながら、沢山の素朴な疑問が湧いてくる。
本当に、西欧文明は素晴らしい面だけなのか?
影や悪いところは全くないのか?
素晴らしさによって、悪業や罪が許されるというのか?
自分に都合の悪いことを指摘された時、どのように反応するのか?
影の部分をどのように自覚し、克服しようとするのか?反省はあるのか?
彼らは、何故あのようにいつも自身たっぷりなのか?
日本は本当にダメな国なのか?悪いことばかりしてきたのか?
何も貢献してこなかったのか?誇れるものはないのか?
他国の人々の認識はどれほど正しいのか?
我々は何故、自分に自信がない傾向が強いのか?
何故われわれは他の国々の人々からの批判に反論しないのか?
反論できないほどの存在なのか?日本人に創造性はないのか?
我々の世界観は何故歪みやすいのか?教育は関係があるのか?
バランスのとれた世界観とはどのようなものか?
現在の日本を被う閉塞感の正体は何なのか?どのように打開できるのか?
未来は暗いだけなのか?希望はないのか?
未来への道筋は二つの光によって照らされ見えてくる。
(1)歴史に学んで正しい認識を持ち、真摯に現実を考察すること。
(2)成功している他者から、真摯に学ぶこと。
現在の混迷が深ければ深いほど、そのどちらも欠くことの出来ない作業となる。日本人は生来(2)が得意な方だ。だが(1)はどうか?
過去を振り返ることに失敗しているため、歪んだ世界観と自己認識を持つように至り、現在の混迷や閉塞状態を招いているのではないか?日本と世界の歴史を見つめることによって、未来への道筋が見えてくるのではないか?
本サイトでは、そういった作業仮説を立て、上記のような疑問に取り組んでみたい。
(マイ・アーカイブズへ)
(1396文字)
2008年12月30日火曜日
(1)問題提起 〜歪んだ世界観と現在の閉塞感〜